
概要
測定対象に赤外線を照射してその反射・透過率を調べることで、微小な対象物を、簡単に自動で測定できます。 化学や電機・電子、機械・輸送機器などにおける微小異物解析や品質管理だけでなく、環境に影響を与える微細なプラスチック粒子であるマイクロプラスチックの研究にも役に立ちます。
特長
液体窒素を使わずに微小物の赤外顕微測定が可能です
電子冷却MCT検出器(TEC MCT)もしくは室温検出器(DLATGS)を搭載することによって、液体窒素を使わずに赤外スペクトルを取得することができます。必要に応じて標準検出器であるT2SL※1とTEC MCTもしくはDLATGSを切り替えて測定することができます※2。
※1 : T2SLには液体窒素が必要です。
※2 : TEC MCTとDLATGSは同時搭載できません。
試料セットを容易に
[試料取り出し] ボタンを装備。ボタンを押すとステージが下がり、対物鏡が自動で切り替わるので、試料の出し入れが容易に行えます。また、下部コンデンサ鏡を取り外すことにより、最大40 mm厚試料の反射/ATR測定が可能です

測定位置を素早く決定 ー広視野カメラ・顕微カメラー
広視野カメラと顕微カメラが試料観察をサポートします。広視野カメラでは最大10×13mmでの広い視野観察が可能なだけでなく、可変デジタルズームにも対応します。さらに顕微カメラと位置情報を共有し、最小30×40μmという非常に狭い視野まで、約330倍のデジタルズーム機能を実現しました。(顕微カメラは10倍までの可変デジタルズームに対応)

可視画像を見ながらスムーズな測定 ー可視/赤外デュアルビューシステムー
試料の可視画像を確認しながら、スペクトル測定ができます。対象部位を確認しながらスペクトル測定ができますので、可視光⇔赤外光切り替えの手間が省けます。タイリング機能と組み合わせることにより、ステージ稼働全範囲で可視観察赤外測定ができますので、試料を再セッティングする必要がありません。

赤色:赤外線光路、緑色:可視光線光路
ソフトウェアが対象物を自動認識 ー 異物自動認識システムー
対象物を自動認識する機能が標準搭載。分析者はボタン1つクリックするだけで、ソフトウェアが対象物を自動認識。最適なアパーチャサイズと角度をわずか1秒で決定します。
標準タイプと極微小部に特化したタイプの2種類がありますので、目的に合ったタイプをお選びください。自動決定した位置をそのまま測定することも、分析者が測定位置を追加/削除することもできます。測定したスペクトルには試料の画像が自動で保存されます。後で試料や測定位置を簡単に確認することができます。


極微小部における高感度測定 ークラス最高レベルのS/Nー
極微小部測定に特化した光学設計により、AIMsightはクラス最高レベルのS/N30,000:1を実現しました。対象物が極微小サイズでも、短時間で良好なスペクトルを取得することが可能です。
高感度なATR測定 ー高屈折率試料対応 ー
ATR対物鏡(Geプリズム)で高感度なATR測定ができます。また、赤外入射角度をより深くしたことにより、黒色ゴムなどの高屈折率試料測定時にも歪みのない良好なATRスペクトルを取得することができます。
測長機能
AMsolutionでは測長機能が新たに追加されました。赤外顕微鏡で取得した画像上で対象物の測長が可能です。また、ボタン一つで測長結果をレポートとして出力できます。

対象物の定性をフルサポート ーヒット率の高いオリジナルライブラリ(オプション)ー
異物ライブラリや加熱劣化プラスチックライブラリなど、各種ライブラリをご用意しています。
・LabSolutions IR用異物ライブラリ
・加熱劣化プラスチックライブラリ
・紫外線劣化プラスチックライブラリ
対象物の自動定性 ー 異物解析プログラムー
対象物を自動解析する異物解析プログラムがLabSolutions™ IRに標準搭載されており、AMsolutionで取得したスペクトルを直接読み込んで解析することができます。異物解析プログラムは異物として多く検出される物質のスペクトル(550以上)を収録した異物ライブラリと島津独自のアルゴリズム(特許第5205918号)を組み合わせ、測定された対象物を高い精度で同定します。対象物が混合物の場合でも、主成分・副成分を検索し、判別した物質の確度も表示します。混合物の成分数を指定する必要がなく、赤外分析の習熟度に係わらず誰でも簡単に分析ができます。
スペクトルアドバイザー機能(特許出願中)
赤外顕微鏡特有の操作や付属品によるトラブルシューティングを実装しました。測定したスペクトルと測定事例を照らし合わせることで改善策を提案します。これにより、より質の高いデータの取得が可能です。

成分をイメージで確認 ー ケミカルイメージー
ピーク高さや面積、多変量解析(PCR/MCR)や対象スペクトルとの一致度を使ったケミカルイメージ※1を作成できます。目視では確認できない成分分布を可視化することができます。
※1 ケミカルイメージを作成するためには、別途マッピングプログラム(P/N 206-35093-41)が必要です。
用途・事例
・化学や電機・電子、機械・輸送機器などにおける微小異物解析や品質管理
・マイクロプラスチックの評価(材質の判別)