
概要
高感度・低ノイズの検出光学機構の採用によって高分解能観察を実現しつつ、光学調整と観察条件設定の作業を自動化しました。走査型プローブ顕微鏡(SPM=Scanning Probe Microscope)の中級機種として最先端のナノ材料の評価・研究に貢献していきます。
特長
自動観察
レーザーの光軸調整と観察中の条件設定、画像処理を自動化
標準試料・標準カンチレバー使用時:所要時間約5分※
従来のSPMでは慣れが必要だった光軸調整と観察中の条件設定、画像処理を自動化することで、ストレスフリーな観察をサポートします。
※1μmの視野を256×256画素で自動観察した場合の所要時間です。所要時間は観察条件によって異なります。
高機能
光学顕微鏡からSPMまで鮮明に捉える
光学顕微鏡でターゲットを探し、簡単にSPMで拡大観察ができます。また、表面形状像と同一視野で別の物性情報を取得可能です。
多彩な観察モード
形状観察からフォースカーブ測定による物性マッピングまで、多彩な観察モードをサポートしています。物性評価を高分解能で行うことができます。
観察モード | |
形状 | コンタクト / ダイナミック |
---|---|
機械特性 | 位相 / 水平力(LFM) / フォースモジュレーション / ナノ3DマッピングFast※ |
電磁気 | 電流※ 磁気力(MFM)※ / 表面電位(KPFM)※ / 圧電応答(PFM)※ / STM※ |
加工 | ベクタースキャン※ |
雰囲気制御 | 液中観察※ |
ターゲット探索を簡単に
一体型の高性能光学顕微鏡を採用しました。分解能と操作性の向上により、ターゲットの探索が簡単に行えます。
局所的な物性を高分解能で
非常に軟らかい試料の変形や、試料の機械特性・電気特性の違いが局所的であっても高分解能で観察できます。
8K画像で高解像度広域観察
広域観察したときでも微細な構造を観察できます。最大8K(8192×8192)画素での高分解能観察を実現しました。
時間短縮
多彩なサポート機能で迅速な観察を実現
観察と物性マッピングを高速化することで、観察時間を大幅に短縮しました。簡単な試料交換とカンチレバー交換で、観察前準備も素早く行うことができます。
ハイスループット観察・高速物性マッピング
高速応答を実現したHTスキャナの採用と制御アルゴリズムの最適化により、観察と物性マッピングのデータ取得時間を大幅に短縮しました。
簡単でスムーズな試料交換
ワンタッチでステージを自動でオープン、クローズでき、試料のセットと取り出しができます。レーザーの照射位置が維持されるため、試料交換後もすぐに観察することが可能です。
簡単で確実なカンチレバー交換
カンチレバーを所定の位置に置き、ガイドに沿って滑らせるだけで、取り付けが可能です。ピンセットの扱いに不慣れな方でも、簡単・確実に作業を行えます。(オプション)
用途・事例
・ハードマテリアル:ナノ粒子、ナノファイバー、フィラー、セラミックス、金属
・ソフトマテリアル:樹脂、ゴム、フィルム、生体材料、複合材料
・ライフサイエンス:ヘルスケア脂質膜、細胞、生体分子、毛髪
・エレクトロニクス:電池材料、半導体。記憶媒体
仕様
分解能 | XY : 0.2 nm Z : 0.01 nm |
SPMヘッド | 変異検出系:光源/光てこ/検出器 光源:レーザーダイオード 検出器:フォトディテクター |
スキャナ 最大走査範囲(X・Y・Z) | 標準:10 μm×10 μm×1 μm オプション:30 μm×30 μm×5 μm オプション:125 μm×125 μm×7 μm オプション:55 μm×55 μm×13 μm オプション:2.5 μm×2.5 μm×0.3 μm |
試料ステージ | 試料最大形状 :ø50mm×8mm ※ø50mmの場合は試料の中心部のみ観察可能 試料交換方式:試料ステージ駆動方式 試料固定方式:マグネットによる固定 最大可動範囲:X・Y:±5mm ※ø40mm以下の試料をスキャナ中心に設置した時 |
Z軸粗動機構 | 最大可動範囲:10 mm(電動) |
光学顕微鏡観察 | 総合倍率:約220倍~ 1300倍 ※21.5インチモニタに最大表示した場合 粗動:XY:手動 Z:電動 ※自動フォーカス機能あり 照明:同軸落射照明 ※自動調光機能あり |
ステータスインジケータ | 表示:動作状態を色別に表示 |
除振機構 | 方式:ゲルダンパをユニットに内蔵 |