60 年史
60 years history
INFINITE POSSIBILITIES
創業者の思い出
Memories with the founder
鈴木栄司前会長
(享年93歳)
常に顧客のニーズに応え、
時代の流れに即した優れた商品を
提供する
1922年(大正11年)神奈川県の横浜で生まれ、東京芝浦電気、明石製作所を経て1963年(昭和38年)に4名で東京の豊島区南池袋にて明伸工機株式会社をスタートさせました。
創業当初は木造アパート2階の八畳ー間に机2つと言った有りようでした。家族からは「耐用年数が長い機器の販売で会社が継続できるの?」と心配されましたがこれからの日本は工業分野が成長し、その技術進歩に伴って必ず製品を試験・検査する機器が必要となり、その時流にのれば会社は伸びると確信しておりました。
古巣の明石製作所と共に自社も伸びるが社名の由来ですが、社員の皆が明るく一緒に伸びる会社を目指すと言う意味も含まれていると伝えられております。
現在も電話口で社名をお知らせする際は「明るいに伸びる」と書きますとお伝えしております。
明伸工機の歴史
History of Meishin Koki
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1960 年代
創業時の手書きロゴ
現在のロゴマーク
1960 年代
1963年 明伸工機株式会社を設立
東京の南池袋に事務所を開設し、創業者が在籍した試験装置メーカーの回転物を検査するバランシングマシンを手始めにG(加速度)を被試験体に加える振動試験機、表面処理後の優劣を検査する硬度計を販売していました。
現在も使用している当社ロゴマークの菱形はビッカース硬度計の圧痕、頭文字Mは振動試験機のサイン波を表しています。 -
1970 年代
1970 年代
東池袋に本社を移転
この時代にいち早くオフィスコンピューターを導入し、販売管理・経理帳簿などのデータ処理を手作りのプログラム(穿孔テープ)で稼働させていました。
また、お客様の計測室には測定の「三種の神器」と呼ばれる機器―表面粗さ計、真円度測定器、三次元測定器―の導入が進み、これらの販売へと注力しました。 -
1970 年代
1970 年代
社是・運営方針を制定
「常に顧客のニーズに応え時代の流れに即した優れた商品を提供する」とする社是と運営方針を制定しました。社是・運営方針の理念は、現在の私たちにも受け継がれています。
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1980 年代
1980 年代
ビデオマイクロスコープ販売開始
ビデオマイクロスコープ市場の創成期に販売総代理店権を取得し、画像処理システムの販売に注力しました。ビデオマイクロスコープは多方面でその利便性が高く評価され、新規のお取引先様が増えました。
さらに、公的機関や研究部門への分析機器の販路拡大も目指しました。
試料を無処理で観察・分析できる低真空電子顕微鏡、赤外線カメラで温度分布を観測する熱画像装置、バイオ分野で評価の高い海外製光学顕微鏡などを手掛けていました。 -
1980 年代
1980 年代
大規模展示会に出展
大規模な展示会へ出展することで、知名度アップを試みました。
また、お客様の施設をお借りしての展示会も開催し、明伸工機の強みを知っていただくことができました。 -
1980 年代
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1990 年代
1990 年代
自社開発品の販売開始
開発委託した三次元形状計測システムは、粗さ計からの凹凸データを高速に処理し、微細な表面形状の画像化や周波数解析による数値化が可能となり高い評価を得ました。
更に、試験機・計測器のデータ収集システムの自社開発をスタートし、販売を開始しました。 -
1990 年代
1990 年代
ホームページによる情報発信
自社ドメイン(meishin-k.co.jp)を取得し、テキストベースのWebサイトの開設及びメール環境の強化を図りました。携帯電話の普及も手伝い業務の迅速化、効率化につながりました。さらに日報システムを導入し、情報の社内共有も進めました。
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1990 年代
1990 年代
車輛の電子化に伴う試験装置の変化
車輛需要の増加に伴い、排ガスによる環境問題や交通事故の多発が社会問題となりました。それらをきっかけに車輛の電子化が進み、同時に車載用ECUの需要が増大しました。そのため、寒冷地域や熱帯地域を想定した温度(差)環境でも性能が劣化しないよう、外部ストレスに対する耐性を評価する必要が出てきました。このような要求に対応するインライン型の低高温試験装置の導入検討に初期段階から携わり、安定した結果が得られる装置の完成に貢献しました。
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2000 年代
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2000 年代
2000 年代
車輛安全評価試験を支援
車輛安全性向上の開発の一つに自動車衝突試験装置があります。従来の固定壁に対する衝突試験ではなく、車輛同士の衝突を再現する方式が注目されました。車輛を安定走行させるウインチ、スローモーション動画を記録する高速度カメラ、衝突の瞬間の撮影に適した高硬度照明などを提供し、この装置の稼働に貢献しました。
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2000 年代
エー・アンド・デイ社EV-Sim HELIOS Edition
(電動車開発向けシミュレータ)2000 年代
シミュレーションシステムの導入支援
内燃機関全盛期から、様々なシミュレーションシステム(HILSなど)の導入を支援してきました。昨今では自動運転、運転支援システム、コネクティッドカーの発展による車載用ECUやソフトウェアの大規模化に伴い、制御系が複雑化しているため、モデルベース開発(MBD)による効率化が今まで以上に求められています。
これからの未来を見据えて
Looking to the Future
この度、2023年9月をもちまして、当社は創立60周年を迎えました。
これもひとえに、お客様や仕入先の皆様のお陰であり、また、これまで当社に勤務してくれた社員一人一人の努力の賜物であります。
代表者として、心より感謝するとともに、今後に向けて一層奮励努力する所存でございます。
私が当社に入社したのが、22期が終わろうとしている8月(1985年)でした。
その後、創業者である父、鈴木栄司(故人)の後を継ぎ、30期(1993年)から代表取締役社長を務めさせていただいています。
会社の60年の歴史の中で、3分の2の期間に関わってきたことになります。
創業当時からの60年を振り返ってみると、私が入社した以降も順風満帆だったわけではありません。何度も荒波に揉まれた経験もいたしましたが、その都度、何とか乗り切って今の当社があります。思い起こしてみると、その時代時代の経済環境や技術革新と軌を一にして、会社の浮沈があったように思います。我々の努力だけではどうにもならない社会環境の中で、常に社会のニーズに合わせた活動をしてきたことこそが、当社が60年続いた源泉だと思います。これからも、日本の科学技術の発展を支える役割を自覚し、社会貢献を旨として、今まで以上に価値ある会社を目指してまいります。
今後とも、皆様のご支援ご鞭撻、宜しくお願い申し上げます。
代表取締役社長 鈴木伸彦