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2021/06/16  パルステック工業株式会社
ポータブル型X線残留応力測定装置 μ-X360s

micro-x360s

X線回折法を利用して、金属表面の残留応力、半価幅、残留オーステナイトを
非接触・非破壊で測定する装置です。

 

特徴
世界初!1回のX線照射でデバイ環全周のデータを取得できる単一入射法(cosα法)を採用
入射X線の角度を変化させる必要が無く、オンサイトでの測定が可能となりました。
フェライト系の測定が約60秒と高速
非破壊で粗大結晶、配向など結晶レベルの情報を確認
セッティングが簡単で、誰でも正しく測定が可能
X線出力は30KV・1.5mAと低出力で空冷化を実現
ユーザーによるX線管球の交換が可能
(管球:Cr、V、Mn、Cu、Co)

 

測定原理

単一入射法(cosα法)
①入射X線を中心に360度全方向に回折した全ての回折X線(=デバイ環)を取得
②無応力試料を基準にデバイ環の形状の変化から残留応力を計測

試料との距離に応じてデバイ環のサイズが変化するため、2次元検出器にデバイ環が収まれば
試料距離がラフでも計測が可能

                          ※試料距離によるデバイ環の様子

 
 
測定方法
1、試料セット(XYZ調整) LEDマーカーとカメラ画像で簡単試料セット
      測定項目:残留応力、半価幅、残留オーステナイト(オプション)

①測定位置確認カメラ画像 ②測定範囲を示す黄色破線の枠とLEDマーカー

2、計測スタート X線照射~読取・解析
3、結果表示 回折環を2次元で全て取得

        粗大結晶、配向など結晶レベルの情報を画像で確認可能

測定手順(ステップ2)

 

測定事例

自動車、船舶、鉄道、飛行機などの輸送用機器
軸受け、鉄鋼、重機、電力関係、表面改質など
加工後の寸法変化、溶接部の亀裂、熱処理の割れ
工程改善、品質管理、歩留まり向上、設備の耐久性把握、インフラなどの余寿命診断など

石油精製タンクの溶接、焼鈍効果の確認 ロールの加工、熱処理の応力確認    橋梁のメンテナンス

 

仕様
測定項目     :⓵残留応力⓶半価幅⓷残留オーステナイト(オプション)
計測方法     :単一入射法(cosα法)
コリメータ径   :標準時 φ1.0mm (X線照射面積 約φ2mm)
X線管冷却方式   :空冷
電源       :AC100~240V,50/60Hz,130W