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2021/03/08  株式会社パーキンエルマージャパン
ICP質量分析装置 NexION 5000 ICP

真のトリプル四重極を搭載した初めてのマルチ四重極ICP-MSシステム

NexION_5000ICP

1、卓越したスペクトル干渉法
 NexION 5000マルチ四重極ICP-MSは従来のトリプル四重極システムと異なり、4段階の質量分解能を持っています。
NexION5000_マルチ四重極
収束された測定対象元素のイオンビームはイオン光学系に導入され、まず最初のQ0(四重極イオンディフレクター)はイオンビームを高感度に導く役割を果たし、Q1(最初のトランスミッションアナライザー四重極)はマスフィルタとして働きます。干渉除去のためのリアクションはQ2(四重極ユニバーサルセル)で制御され、反応副生成物も抑制されます。そして、イオンは最終的にQ3(2つ目のトランスミッションアナライザー四重極)で質量分離されます。これら4つの四重極を持つNexION 5000は、ホットプラズマ条件でカルシウムやカリウムなどの元素においても1 ppt未満のBEC(バックグラウンド相当濃度)を実現できます。

2、優れた安定性
 NexION 5000 ICP-MSの優れた性能の一つが測定結果の安定性です。
例えば、PerkinElmerのフリーランニング34 MHz RFジェネレーターは、業界最速のインピーダンスマッチングによる優れた安定性を提供します。口径の大きなコーンを採用したトリプルコーンインターフェースは、タフなマトリックスであっても目詰まりすることがありません。また、真の四重極を採用したユニバーサルセルでは他社で利用することができない100%の NH3 / CH4 / O2ガスを選択できるため、高い反応性を利用した干渉除去を再現することが可能です 。

3、比類なきマトリックス耐性
 NexION 5000 ICP-MSは、超純水から高TDS (総溶解固形分)サンプル、水試料から有機溶剤まで、さまざまなマトリックスにおいて非常に良好な検出下限とBECを提供します。
PerkinElmerの第2世代のトリプルコーンインターフェース(特許取得済み)は、OmniRingテクノロジーとの融合により、空間電荷効果に対する独自のソリューションを提供します。
LumiCoilテクノロジーを備えた革新的なソリッドステートフリーランニングRFジェネレーターは、ナフサなどの最も困難なサンプルでも簡単に取り扱うことのできる正確なインピーダンスマッチングを備えています。
All Matrix Solution(AMS)サンプル導入システムは、最大200倍の希釈を実現し、35%TDS(総溶解固形分)サンプルにも対応します。

4、最小限のメンテナンス
 RFコイルには水やガスによる冷却を必要としない、長寿命なLumiCoilを搭載しています。
トリプルコーンインターフェースは、OmniRingテクノロジーを備えた独自の3つ目のコーン(ハイパースキマー)により、収束効率の高いイオンビームを生成し、四重極イオンディフレクターをクリーンに保ちます。コーンは真空の外側に配置されているため、すばやく簡単にアクセスできます。
広口径コーンは、長時間の高TDSサンプル測定によるコーンの詰まりを最小限に抑え、信号の安定性に貢献します。
さらに、トリプルコーンインターフェースと四重極イオンディフレクターの組み合わせ(特許取得済み)は、下流のイオン光学系が汚れることを防ぎ、セルの洗浄や交換を不要にします。